ごあいさつ
Message人々の役に立つ事業を技術力をもって成す
初代社長上野茂は戦前に福岡県飯塚市の麻生炭鉱で電気技師をしておりました。当時は坑内での(炭鉱内のガスに火花が引火する)爆発事故が頻発する状況で、なんとか作業員の方々の命と安全を守ることができないかとの一念で炭坑内防爆用電気機器を開発、9件の特許を取得しました。この特許技術をもとに独立、創業(1936年)したのが当社の始まりです。
国内炭鉱向け電気機器の製造からスタートした当社ですが、1970年代以降は、エネルギー源が石炭から石油・天然ガス・原子力へとシフト、国内炭鉱は次々と閉山していきました。この変革期に対応するため、当社は従来から培った電気技術を活かして、電力インフラ向け制御装置の設計・製作へと主力事業の軸足を移していったのです。
現在の私たちの主力製品は、大きく2つあります。ひとつは、電力系統の安定供給を支える変電所向けの保護制御装置。大手電機メーカーと共同開発したデジタルユニットを使用し、ISO9001規格に従って設計・製缶・製作・検査・現地調整までの一貫生産体制を構築しています。もうひとつは、水力発電所向けの各種制御装置です。水力発電所には、弊社のネームプレートが記された装置が数多くあり、「上野製作所に頼めばすぐに対応してくれる」とお客様に言っていただけるほど信頼を得ています。
そして今、時代は歴史的ターニングポイントを迎えています。SDGsの取り組みに象徴されるように、脱炭素社会をめざして電源の多くを持続可能な再生エネルギーに置き換えようとしていっています。戦争などの世界情勢の影響はありますが、この大きな流れは変わらないでしょう。
技術的な観点からみると、再生可能エネルギーに重きを置いた電力インフラ構築には高度な電力制御技術が必要です。様々な再エネ電源を制御するには、従来の方法だけでなく新しいデジタル技術や制御方法が求められますから、そこに追従・牽引できる技術力の研鑽が必要ですが、そこに弊社のビジネスチャンスがあると捉えています。
新たな変革期を迎えるにあたって、あらためて創業時の想いである「人々の役に立つ事業を技術力をもって成す」ために、たゆまぬ研鑽をつみ、高い技術力を持った会社にしていきたいと考えています。